作家の品物(作家物)の買取価格(基本的な査定基準)について説明させていただきます。
古美術品と言っても、作家物、昔の古い品物、細工の優れた品物等々種類が多くあります。
まずは身近な、作家の品物(作家物)から説明いたします。
古美術骨董品お買取りの際、作家の名前で価格をお問い合わせ頂く場合が多くあります。
規格統一されたブランドの品物とは違い、古美術品の世界は、一点一点手作りです。
同じ作家でも、価格は10倍、20倍と買取価格に差が出ます。

①買取依頼の作品が若い頃の作品(前作)か、晩年の作品か

一般的な話ですが、芸術家は、長い年月をかけて、やっと自分独自の作風を築き、それぞれ得意な図柄や形、表現方法に到達されます。
古美術骨董品の業界と同じで、多くの作家は、30代、40代で自分独自の作風はには至らず、60代になってやっと自分独自の作風を作れるようです。
このように、自分独自の作風に至ってない「若い頃の作品(前作)」と、自分独自の作風を作れるようになった「晩年の作品」では、買取価格は10倍、20倍と違うものです。

前作 寛次郎 晩年 寛次郎

前作 鉄斎 晩年 鉄斎

上の陶芸作品は、河井寛次郎作で、左側の茶碗が前作で、右側の花瓶は晩年作です。
下の掛け軸は、富岡鉄斎の作品で、左側の人物画が前作で、右側の山水画は晩年作です。
これらの作品は、高価買取させて頂きます。

 

②買取依頼の骨董品が簡単に書かれた(作られた)作品か、力作か

まず絵や書で説明しますと、若書きにしろ晩年にしろ、簡単に書かれた絵や字(一般的に短冊、色紙等)と、何日、何か月もかけて書かれた力作とでは、買取り価格は10倍、20倍と違うものです。
お道具類でも同じで、簡単に作られた骨董品と、何日も何か月もかけて作られた力作では、買取り価格は10倍、20倍と違うのです。

前作 竹雲斎 晩年 竹雲斎

上は、田辺竹雲斎作の竹芸作品で、左側の作品が簡単な作品で、右側の花籠は時間をかけて作られた力作です。
このような場合、買取の値段は数十倍違います。

【京都祇園ならではの逸話】

最後に、古美術骨董品、茶道具買取りの際のご参考までに京都祇園ならではの裏話をひとつ。
京都祇園に吉井勇の『かにかくにの碑』があるように、一見さんお断りの町、一流のほんもの しか遊べなかった、昔の古き良き時代の京都祇園のお話です。
とある作家が、「筆と墨を持って来い、きょうのお代は、これじゃあ」と襖にさっと描かれた絵、このような物も祇園には残っており、これも「作家」さんの「本物」です。
いろんな人から、プレゼントや贈り物があった「一見さんお断りの町、京都祇園」
「祇園に偽物は無い」と言う言葉、、、我々、祇園の古美術商の間の格言です。、、、さすが京都祇園凄いですね!
分かりやすい例で、力作と簡単な作品の買取の値段は、大きく変わります。