髪の毛をすいたり、髪に挿して飾りに使ったりする道具。
黄楊(つげ)・竹・鼈甲(べっこう)・合成樹脂などで作る。

日本では縄文(じょうもん)時代から用いられていた。
古来ツゲ材が良質とされたが、江戸時代以後は華美な品が流行し、金、銀、べっこう、象牙(ぞうげ)、螺鈿(らでん)、ガラス、蒔絵(まきえ)のものなど多彩になった。

髪の毛を整えたり,垢やほこりをとる用具であるが、髪飾としても用いられる。
古代の櫛は、縦長で歯の部分がとくに長く(竪櫛(たてぐし))、現在解き櫛として用いる横櫛(横に長い櫛)のように髪の毛をすき整えるには機能的ではない。
おそらくヘアピンのように束ねた髷(まげ)を止めるための挿し櫛であったと思われる。
種類は木製編歯(結歯)で漆塗りのもの、骨製挽歯(刻歯)のもの、竹製編歯の漆塗りのものなどがある。