佐賀県には、玄界灘や有明海などがあり、古くから続く良港があります。中国や朝鮮半島に近く、九州の中でも大陸文化の窓口として歴史的、文化的に重要な役割を果たしてきました。吉野ヶ里遺跡からは、大陸由来の青銅器や銅器が数多く出土しており、その歴史の古さを感じることができます。古い時代に大陸から渡って来た、古玩や青磁の陶磁器など、珍しい古美術品や骨董品、美術品も残っています。また、佐賀県は、明治維新に尽力する人物を多く輩出したところでもあり、九州ならではの歴史の息遣いが感じられるところです。江戸時代には鍋島藩などの庇護のもと、伊万里焼や茶、石炭といった地場産業が育ちました。 江戸時代には、優れた伝統古美術工芸品なども育まれ、大名御用達の甲冑師なども輩出した土地柄です。地元で何代も続く商家に伺い、彫金細工や象嵌細工が施された鍔や毛彫りや片切彫が素晴らしい甲冑 、打つ技法を得意とする宮田派の鎧兜などを拝見し、お譲り頂いたことがあります。素晴らしい金工作品の逸品ばかりでたいへんうれしい出張となりました。歴史ある地域ですので、茶道文化も育まれ、茶道具の裏千家や表千家の宗匠の書付がある茶碗や菓子鉢、香合、家元が書いた一行書をお譲り頂いたこともあります。また、佐賀県は九州の中でも特に、古くから陶磁器の産地として知られており、有田焼、伊万里焼、唐津焼といった焼き物は世界的に有名です。 佐賀県には、酒井田柿右衛門や今泉今右衛門など有名な陶芸家もおられ、焼き物関係の骨董品や、美術品の買取依頼も多くあります。陶磁器、焼き物の整理の際には、古美術やかたに是非、ご相談くださいませ。