売却済
写真7枚掲載、ご覧下さい。
2023年5月29日

先に品物を紹介させて頂きます。この掛軸は本紙は絹本で、山水画が描かれております。古い時代にはこのような山水画の水墨画が好まれ、多くの名品が残されております。この作者はそんなに著名な作者ではありませんが一般的に好まれる図柄で、愛好家の方には人気のある作品で買取させて頂きました。この掛け軸は日本画で絹本に描かれておりますが、一般的に水墨画は紙本に描かれているのが普通です。採光の加減で白く光っておりますが、ご覧のように保存状態の良い品物で、買取させて頂きました。

山水画の説明をさせて頂きます。山や渓谷、川といった自然をモチーフとして、墨のみで描かれる絵画のことです。人物画や花鳥画が実物を写し取るのに対し、創造の景色、実際には存在しないイメージとしての大自然を描くのが特徴です。世間から離れた理想郷を表したもので人生観そのものであるともいえます。中国で唐代後半に山水画の技法 として成立したのが水墨画です。特に水墨画で描かれる山水画のことを水墨山水画と呼びます。墨のみで描かれる南宋画(水墨画)と、着色された山水画の北宋画があり、鎌倉時代に日本に伝わったのは北宋画です。宋元の水墨山水画が輸入されたことがきっかけで、独自の墨の特徴を生かした水墨画の文化が発達しました。室町時代に雪舟、狩野正信などが描いた作品は、北宋の系譜に連なるものです。雪舟や狩野正信らが日本独自の技法で水墨画を描かくようになり、雪舟や狩野派が、室町時代末期から江戸時代まで続く、日本水墨画の主流となりました。

古美術やかたでは、お譲り頂いたお客様に、納得頂くことを第一と考えております。