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売却済
写真5枚掲載、ご覧下さい。
2022年4月8日

ご主人が結婚された時、長男なので祖母から記念にと頂いた土鈴だと話され、遠く新潟県よりお持ち頂きました。「最近では趣味も無く売却しようとホームページを見て、古美術やかたさんに連絡させて頂きました。」とも話されており、それらの古道具についてゆっくり説明もさせて頂きました。「祖母がいかに文化や歴史、芸術に精通していたかよく分かり、昔のアナログ時代の逸品の素晴らしさを知ることが出来、感謝しております。」とお喜び頂き、買取させて頂きました。この土鈴は新しい工芸品ですが、面白い逸品なので紹介させて頂きます。

この土鈴は新しい品物ですが、土鈴の歴史は古く、縄文時代からあります。買取させて頂いた一山に入っており、面白いので紹介させて頂きます。作り方は、粘土で鈴の中に入れる丸玉を作くり、その丸玉を枯れ草などでくるむ。その上に粘土を貼り付けていって球形にし、一部分の粘土を取り除いて小さな孔や切れ込みをつくり、これを焼成する。中の小さな丸玉と外側の球形だけが土器として残り、枯草は灰として小さな孔や切れ込みから取り除くことができ、こうして土鈴ができます。

このような土人形は、伏見人形が元祖で、郷土玩具や魔除け、縁起ものとして、江戸時代以降に作られるようになった素焼きに絵付けをした土鈴を真似て作られた逸品です。伏見人形は江戸時代前期に伏見稲荷のお土産として売られており、全ての郷土玩具、土人形の元祖でもあります。当時は多くの窯元がありましたが、現在では殆どのお店が無くなりました。伏見人形は型の種類が非常に多いことが特徴のひとつでもあり、彩色の仕方も違うので、伏見人形といってもそれぞれ雰囲気が全く違うところが面白みのひとつでもあります。