日本独自の根付細工は、江戸時代に煙草入れ、矢立て、印籠、小型の革製袋などを紐で帯から吊るし、持ち歩くときに用いた留め具のことです。
現代でいうストラップにあたります。
材質は堅い木(黄楊、一位、黒檀等)や象牙などがあり、江戸時代から近代にかけての古根付と、昭和、平成の現代根付に大別されます。
江戸初期のものは簡素なものが多いですが、江戸時代中期に入って、実用性と共に装飾性も重視されるようになり、爆発的に流行しました。
この頃から細かい彫刻が施されるようになり、根付自体が美術品として収集の対象となりました。
明治時代に入ると海外から高い評価を得ており、「根付」の持つ高い芸術性は、現在でも世界中の多くの人々から日本独特の精緻的文化として認められています。