彫刻とは、美術的な鑑賞を目的として、様々な素材を用いて制作された立体作品を意味します。
一般的に鑑賞を目的として制作されたものであり、生活用具に用いられる工芸品や陶芸品など、実用性あるものは除かれることが多いようです。

彫刻に使われる素材は、石、木、土(粘土、テラコッタ)、繊維、紙、氷といった自然のものから、石膏、金属(鉄、銅など)、樹脂(合成樹脂)、ガラス、蝋などの人工物も含まれ、複数の素材を組み合わせる作品も多々あります。

彫刻の中でも、ブロンズ彫刻と呼ばれるものは、彫刻家の製作は石膏でできた「石膏原型」までで、それ以降のブロンズ化は「鋳造師」と呼ばれる職人の仕事となります。

そのため石膏原型があれば複製が可能であるため、彫刻家が存命のうちにその承認の下に鋳造された作品を「生前鋳造」、没後(死後)に鋳造された作品を「没後(死後)鋳造」として厳密に区別されます。

「生前鋳造」こそが本物であり、例えばロダン作の「考える人」は、現在数多くの美術館で見ることができますが、ロダン美術館によって真正品と認定されているのは世界に21体しかありません。

またオブジェ とは、主に美術用語として用いられ、自然物、工業製品、廃品、日用品など、またはそれを使用して作られた作品を意味します。

現在では、彫刻と呼ぶべき作品があまりに多様化しているため、「彫刻」という用語にそぐわないケースも多く、単に「立体」「立体アート」と呼ぶこともあるほか、設置空間全体へ拡散し「空間表現」「インスタレーション」と化したものもあり、表現手段も多様化しています。