香を焚く器で、金属あるいは陶器、玉、漆器などで作られています。

もともとは仏前や仏壇の三具足や五具足の一つでした。用法・形状によって、床の間や卓上に置く置香炉、手に持つ柄香炉、袖に入れる袖香炉、宙につるす釣香炉、衣類などに香を焚きこめる被中香炉、その他聞香炉、不浄香炉などがあります。

昔の女性にはお化粧と同じようにお香を焚く習慣がありましたので、人々の日常生活に寄り添うようにごく自然に香炉があったようです。時代と共に香道や床の間の置物飾り、茶道具としても使われるようになりました。陶磁器の青磁、染付、金襴手のものや漆器 、翡翠、象牙製のものに名品が多くあります。