茶器の一種で、抹茶を入れるのに用いる木製漆塗りの蓋物容器。
植物のナツメの実に形が似ていることから、その名が付いたとされ。
現在では濃茶を入れる陶器製の茶入(濃茶器)に対して、薄茶を入れる塗物の器を薄茶器(薄器)と呼ぶが、棗がこの薄茶器の総称として用いられる場合も多い。
茄子茶入の挽家 (ひきや。茶器を保存する容器) を応用したものが始めといわれ、形がなつめの実に似ることによる名称。
東山時代からとされるが作品は桃山時代以後が多い。
形のうえでは大、中、小、平、尻張、胴張、長丸その他がある。
素地は木材 (挽物) 、乾漆、竹、紙など。
塗りには黒ろう、朱、溜、潤 (うるみ) 、掻合、春慶、根来 (ねごろ) 、変り塗、摺漆などがあり、木地のままのものもある。
一般の説明とは違い骨董品業界の場合は、特殊な言い方や表現があり戸惑われる方もおられますが、昔からの習慣や慣例に基づき続いている古い業界なので、大きく物事をとらえて頂き骨董品や茶道具を連想して考えて頂ければ、と思います。