「浮世絵」には肉筆画のものと木版画のものがあります。
肉筆画は一点ものなので作品数も限られ高価でした。
木版画は同じ絵柄のものを多く刷ることができ安価で江戸時代の一般大衆もたやすく手に入れることができました。
また、一般的に、明治時代の木版画は赤色や青色の部分が濃く表現されており、 江戸時代の木版画は、まったりした淡い色合いのものが多く見られます。
大胆な構図とはっきりした図柄が印象的で、影の表現を持たないこと等が表現上の特徴です。
遠近法も多く取り入れられ、遠景の人物を逆に大きく描く北斎の『釣の名人』のように、 意図的に遠近をずらされたものもあります。
現代の美術展等のように額に入れて遠目に眺めるものではなく手にとって眺め愛玩されるものでした。
草双紙や絵巻物、また瓦版(新聞)の挿絵の役割も果たしていました。
絵暦と呼ばれるカレンダーの制作も行われ、絵の中に数字を隠すなど様々な工夫を凝らしたものが作られたり玩具絵のように切り抜いて遊ぶものもありました。
その美しさと嵩の低さが喜ばれ江戸から国元への土産にも、喜ばれました。