図案の柄や、模様のこと。
ここでは骨董品や茶道具、美術品などに使われるモチーフやデザイン、文様、工芸品 などの地の模様、配置された様子、構図などを総称して図柄と呼ぶ。
「図柄」にちなんで、日本独自の伝統的な図柄のひとつ「和柄」についてお話します。
日本で古くから使われている伝統的な模様のことを和柄と言います。和柄には、日本で生まれたもの、中国や ペルシア など海外から渡ってきたものをアレンジされたものが浸透し、今でも使われているものなどがあります。日本ならではの面白い伝統文化です。
日本人は、昔から、花や草木、森羅万象のことがらを、意匠化してきました。例えば、「流水文様」は、小川をモチーフにした文様です。「松の木文様」は、長寿の象徴の松をモチーフにしており、めでたいときに喜ばれます。「桜文様」は日本人が愛する桜をイメージした文様で、草花が芽吹く春を連想させることから縁起が良いとされています。
「鶴文様」は、千年の命を持つ祥瑞の鳥、鶴がモチーフになった文様です。美しい立ち姿や飛び交う様子から日本でも特に好まれる吉祥文様です。同じく吉祥文様の「亀甲文様」は、鶴や松竹梅と取り合わせて、晴れの日の衣装に使われたりします。「蝶文様」は、武士の紋章にもなっている図柄です。さなぎから美しい蝶になることから不滅の象徴として好まれたようです。
「唐草模様」「市松模様」などは誰もが知っている有名な図柄ですね。唐草模様は風呂敷で良く知られています。市松模様は、江戸時代の歌舞伎役者、佐野川市松が愛用したことから生まれた言葉です。舞台でこの模様の袴を着用したところ当時の女性の間で大流行しました。その他にも、「波千鳥」「七宝柄」「麻の葉」「青海波」など生活に馴染んだ和柄がたくさんあり、それぞれに縁起の良いいわれがあります。