売却済
写真8枚掲載、ご覧下さい。
2022年8月12日
この作品は河井寛次郎の鉄釉茶碗です。共箱ではありませんが、河井寛次郎は多くの試作品を作り、研究に励んでおられました。上りの悪い逸品や、景色の気に入らない逸品は、人々に差し上げておられたのだと思われます。河井寛次郎記念館に伺うと分かりますが、上絵付や飴釉、自然釉が施された陶片が、登り窯周辺に放置されております。この作品を持って、河井寛次郎記念館で箱書きと鑑定をして頂くと、3万円から5万円の費用が必要です。
昔の作家は大変な時間と努力を積み重ね、やっとの思いで独自の作品を作り上げます、少し作家の苦労話をさせて頂きます。一般的に芸術家が一生涯に制作された作品で、力作や秀作は制作した全作品の二割ぐらいだと聞いております。例えば、河井寛次郎の登り窯の周辺では多くの陶片が残され色や形を探るのに何千もの陶片を焼き、研究されていました。殆どの芸術家は、試行錯誤を何年も繰り返し、50歳頃になりようやく自分独自の作品が出来るようです。最近では才能は何もしなくてもすぐに開花すると思う若者も多くおられますが、プロスポーツやオリンピックの選手達は口を揃えて何年もかかり、周りの人に助けてもらい自分の 境地 にたどりつくと話されます。芸術家も同じで、研究して境地に入られた晩年の作品は、高価で取引されているようです。これらの作品を査定、鑑定する古美術商も当然、同じ事が言えるでしょう。