鉄瓶
鋳鉄製の湯沸器です。
茶釜から発達したもので、つぎ口とつるをつけます。
丸形、筒形、平丸形などがあり、胴は茶釜に準じて文様や霰(あられ)などの装飾をつけます。
南部鉄瓶は岩手県の伝統的な特産、竜門堂鉄瓶(京都)は高級品で蓋が銅製です。
鉄瓶には、大きく分けますと、南部鉄瓶、京都や滋賀県で出来た鉄瓶が有名です。
また、高岡やその他の地域でも造られていたと思われます。
「龍文堂」
本格的な京鉄瓶の鋳造が始まったのは京都の龍文堂が始まりです。
初代秦蔵六や亀文堂も龍文堂で学んでおり、京鉄瓶の元祖です。
龍文堂は江戸期から昭和初期頃まで約七代続きました。
四方龍文が1764(明和元)年頃に京都で鋳物業を始め、息子の安之介(安平)が屋号を「龍文堂」とし、龍文堂安平として活躍しました。
「亀文堂」
亀文堂の初代波多野正平は、文化13年(1816)に京都に生まれ、江戸の後期より鉄瓶を作りはじめました。
その後、何代か続き、明治から昭和時代に数多くの鉄瓶を製造、販売しておりました。
また初代秦蔵六は、波多野正平の弟です。
亀文堂、波多野正平は、滋賀県能登川町に本拠地を置いたため、作品の蓋裏に「日本亀文」、胴裏に「家拙日本琵琶湖在東」と銘があります。
また、 胴後部に「日本亀文」底面に「家拙日本琵琶湖之東」と在銘の鉄瓶もあり、「亀文堂 梅泉造」「亀文堂 淡海秀光造」と銘がある鉄瓶も高値の品物です。
その他の鉄瓶では、光玉堂、金寿堂、三徳堂、松栄堂、なども有名です。