日本古来 からある芸道で、流派の正統としての権威を受継ぎ、流派の門弟を統率する家もしくはその当主のことです。

すでに平安時代の昔から、歌道や雅楽の分野で「家元」がありました。戦国時代には武芸の家元も現れました。今日まで続くさまざまの芸道分野の家元の多くは、江戸時代に始まりました。舞踊、邦楽、茶道、歌舞伎、音曲、その他さまざまの分野にみられる制度です。

家元は、弟子 たちを統制し、教育をして、免許を与えます。修行の末、家元が認めるレベルに達したときに発行されるのが免許状です。お墨付きをもらうことで、家元と同じように弟子をとるなどの活動ができるようになるのです。
また、その流派にそむいた門弟を破門することもあります。なお、舞踊などでは流派によって家元とは別に宗家を立てる場合もあります。

例えば茶道であれば「表千家」、「裏千家」などの流派があり、それぞれに家元が存在します。ただし家元の意味はとても広いため、いろいろな意味で使われる場合もありますので、あくまで一例です。

一般の説明とは違い骨董品業界の場合は、特殊な言い方や表現があり戸惑われる方もおられますが、昔からの習慣や慣例に基づき続いている古い業界なので、大きく物事をとらえて頂き骨董品や茶道具を連想して考えて頂ければ、と思います。