売却済
写真9枚掲載、ご覧下さい。
2023年5月4日
ご高齢の女性のお客様でしたが、ご自宅の整理をされていて、査定して頂きたいと、お電話を頂きました。古道具や骨董品がごちゃ混ぜであるようで、面倒ですが写真を撮って頂き、LINEでお送り頂きました。古道具や諸道具が沢山あり、写真をお送り頂いたなかに、先代が大切に愛好されていた螺鈿の花台があり、売却価格を決定し、家族の方々と相談され、宅配で売却頂きました。このお客様は神奈川県のお客様ですが、古美術やかたのホームページをご覧になり、同じような品物を販売しているのでお電話を頂いたようです。
この螺鈿細工の逸品は中国美術のような面白い作品です。昔の職人技が素晴らしい細密に作られた螺鈿細工ですが、保存状態 が悪く中央の部分が剥げています。傷んでなくて、綺麗な作品なら高価に買取させて頂ける花台だと思われます。このような漆芸品は保存が難しく、これだけ細かい細工が施されている 名品 は直す事も出来ない貴重な骨董品です。日本の時代の江戸時代や明治時代の作品なら茶道具でも同じように高価買取させて頂きます。
螺鈿細工の面白い作品なので 螺鈿 細工を詳しく説明させて頂きます。螺鈿は、主に漆器や 帯留 めなどの 伝統 工芸に用いられる装飾技法のひとつで、貝殻の内側、虹色光沢を持った部分を切り出した板状の素材を、漆地や木地の彫刻された表面に嵌め込む技法で、螺は貝、鈿は散りばめることを意味して、そのような方法で 工芸品 が作られました。使用される貝は、夜光貝や白蝶貝、また黒蝶貝や青貝、そしてアワビ、アコヤガイなどが使われます。奈良時代に唐から輸入され、平安時代には、漆芸の装飾 技法 として蒔絵との併用が流行しました。鎌倉時代になると鞍の装飾として好まれ、室町時代になると中国の螺鈿細工の素晴らしい技術も導入されました。安土桃山時代にはヨーロッパとの貿易によって急成長して、ヨーロッパでは一つのステータス・シンボルとなり、非常に人気がありました。日本ではこの頃の輸出用の 漆器 は南蛮漆器と呼ばれています。江戸時代になっても螺鈿は引き続き人気がありましたが、幕府の鎖国により螺鈿職人は日本向けの商品に集中しました。現在の螺鈿細工の基礎は、このようにして築かれました。
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