売却済
写真6枚掲載、ご覧下さい。
2022年6月5日
お家の建て替えに伴い、古美術骨董品の整理をされておられるお宅より、売却する逸品と伝承する逸品を選んでほしいと連絡があり、兵庫県まで出張させて頂きました。伺って見ると、殆どが仏教美術の逸品で先々代が集められた品物のようで、仏具や仏教美術の愛好家だったようです。さすが昔のコレクターだけあり、面白い逸品や珍しい珍品の諸道具を拝見させて頂きました。小さな仏教美術の逸品ですが、紹介させて頂きます。
独鈷とは仏具で、密教で用いる法具で金剛杵(こんごうしょ)の一種です。魔を払い、身を守る密教を代表する法具刃が1本のものを独鈷杵(どっこしょ)と言い、祈りを捧げる人が念仏を唱えることで仏様と一体になることを願います。鉄製または銅製で、両端の形により呼び名が変わります。この独鈷は結構昔の逸品ですが、仏教美術は平安時代より昔からあり、江戸時代の作品では古いとは言えず、やはり仏具は平安時代頃の作品が高価買取対象でしょう。
この作品は仏教美術の作品ですが、日本の金工作品の代表である刀装具も同じ金工作品の歴史なので、刀装具を例にとり金工作品の説明を少しさせて頂きます。目貫は刀装具の中でも「三所物」として、人気のある大切な部品です。目貫は柄と刀身を固定するための鋲頭として目釘の上に付けられていました。その後日本刀の柄を装飾する金物のひとつとして重宝な金工作品と認められ、装飾品へと変わっていきました。柄の表裏にあり、動物や植物の桜、また鶴と亀などの縁起物や家紋を施された作品もありました。表と裏があり、一対で物語を表現したり、故事になぞらえたり、武士も粋なお洒落を楽しんでおりました。