売却済
写真6枚掲載、ご覧下さい。
2023年7月10日
「親戚のおじさんがお亡くなりになり、茶道具が好きで特に鉄瓶が好きで、以前にお爺さんから頂いた品物ですが、長年置いてあったのですが、違う品物を置きたいと」と話され、来店頂きました。このお客様は三重県松坂市にお住まいのお客様ですが、事前に当店のホームページをご覧になり、鉄瓶や茶道具を販売しているので、観光ついでにお越しいただいたのだと思います。販売している鉄瓶を詳しく説明させて頂き、お持ち頂いた鉄瓶をお譲り頂きました。
この鉄瓶は大量生産されている南部鉄瓶のような作品で、人気のあるのは関西で作られた亀文堂や龍文堂の鉄瓶と違い、大量生産されており、買取価格も安い品物です。持ち手の象嵌細工や彫金細工が素晴らしい作品は高価買取させて頂きますが、持ち手がこのような簡単な逸品にはあまり高価な作品は無いようです。一部がさびているのは仕方ないですが、鉄瓶を売却する際に一番大切な事は、水漏れがしない事です。採光の加減で光っておりますが、傷んでいる所はありません。共箱や合わせ箱もありません。
この鉄瓶のように、量産された鉄瓶を説明します。南部鉄瓶は茶の湯釜や花瓶などとともに南部鉄器として知られ、岩手県の特産品の一つである。北上川流域では東大寺の大仏鋳造を機に金山開発が進められ、これに伴って鉄鉱資源も多く見出され鋳物産地が存在していた。南部藩では8代藩主南部利雄の頃に3代小泉仁左工門が茶の湯釜の寸法を縮めつつ注ぎ口と鉉(つる)を調和よくつけたものを製作し、これが少しずつ改良されて鉄瓶が誕生したと言われている。当時、茶の湯釜に注ぎ口と鉉(つる)を付けたものは鉄薬鑵(てつやかん)と称されており、その後「薬鑵釜」や「手取り釜」と称され、さらに「鉄瓶」と名付けられるようになった。